■用語集レベル2(第三版※更新個所は青字
■魔力
 魔術の行使に必要とされるエネルギー。
 大体の場合、マナと同義。

■マナ
 根源活力。=魔力でほぼオッケー。
 命とは別物。
 持っているマナの量が多いほどその物や人は強力になる、という非常に解りやすい仕組み。
 大量のマナが充填された事物は強力な魔力を持つとされる。
 魔術的な儀式によって増減し、人間の場合、立派な親族を多く持つ、自らにタブーを課すなどにより増やす事が出来るとか。
 地球に生きる全ての生物がこの恩恵にあずかっている、とされる。
 他に、気、プラーナ、ムニア、普遍流体、オド、オルゴン、リビドー、エンテレキー、エラン・ヴィタルミトゲン輻射などの呼び方がある。
 大地の脈を走り、大陸ではこれを竜脈・竜穴と呼ぶ。

■エーテル(アーテル、アイテール)
 提唱したのはアリストテレス。
 第一原質にして第五元素。プリマテリア。
 魔女物語の世界では、エーテルの性質をそのまま固定した物を賢者の石と呼ぶ。
 賢者の石=柔らかい石、オレイカルコス(オリハルコン)、ヒヒイロカネ(緋緋色金)と呼ばれるが、全て第一原質から出現した原初金属の事。木火土金水、地水火風空のいずれにも含まれない。
 液状に精製すれば、エリクサーと呼ばれ、飲むと不死になる、と言われているが、事実は確認されていない。
 第一原質から四つの相、地水火風、即ち冷温乾湿に別れると通常の物質になる。
 地水火風を四大元素と呼び、エーテルを第五元素と呼ぶ。
 アストラル(星幽)とは別物、らしい。
 尚、マナとか魔力とかとは別物。
 あくまで物質。
 エーテルを固化すれば、そこから金が作れる。金こそは金属の王、とされていたので、金を作る事は、世界の王、真実に至る事に繋がる、とされる。

■精霊
 世界の構成要素の一つ。
 様々な現象をひとくくりにした言葉。
 人格神を含めた汎神もここに分類されるが、精霊と呼ぶ場合には、より物質的な色合いが強い。
 自然の脅威、エネルギーそのものであり、これが何らかの必要性を以って生命としての活動を開始したとき、それを汎神と呼ぶ。
 基本的には姿形を持たない、純粋なエネルギーである。
 地水火風などにカテゴライズして、擬似的に形を与えると、一時的に汎神『のようなもの』として活動しはじめる。この段階によると、例えば水の精霊の助力を得たりできる。
 これは意識的、無意識的な行動問わない。例えば個人が意識的に、魔術の行使として像を結ばせる事も可能であるし、無意識的には地域の伝承などにより活性化して形を得る。
 また、汎神が自らの活動の一助として、自らを細分化して独立した機能を持たせたものもいる。
 魔術の召還や喚起において呼び出されるものは、実は呼び出されたわけではなく、精霊として像を結んだエネルギーに過ぎない場合がほとんど。
 天使の召還だの悪魔の喚起だのは、じつは天使や悪魔それそのものを呼び出しているわけではない。

■マイア院
 18〜19Cに設立された、ギリシアの魔術学院、マイア院。オリンポスの麓、テッサリアにあり、神殿<ナオース>と呼ばれる。
 マイアの魔術師は文字通り武闘派であり、『破壊』の魔術に特化した存在である。
 ヘルメスからは外道と呼ばれるが、アレキサンドリアの錬金術師との交流は厚い。
 マイアの初代長老は、東の果ての島国からやって来た商人と共に、破壊の魔術を探求したと伝えられ、『絶対破壊』の魔術を練り上げた。マイアの魔術師達は代々これを極めんと日夜鍛練を積んでいるが、初代の魔術を頂点として、以降は劣化する一方だとか。

■トート・ヘルメス院
 6Cには既にあった、とされ、現在のエジプト、アレクサンドリアにある。
 学術の都・アレクサンドリアの衰退期に作られた、初期の学院。
 アレクサンドリア図書館焼失の際に流出した数多の写本が、ヘルメス院の擁する図書館に山ほどあり、これの返還を要求するも断られている関係から、ヘルメス院とは仲が悪い。
 ヘルメスでやっている事はほぼトートでもやっている、と言う二大巨頭。
 プラハで行われている即物的な錬金術とは違い、ヘルメス学の根本である所の、『世界の解析』に心血を注いでいる。その点ではヘルメスと同じなのだが、仲が悪いのは同族嫌悪かもしれない。
 変成の魔術の中でも『概念の変成』を得意とする。
 トート院はギリシャの『パンドラ』の管理権を持っているため、アーティファクトの研究に一日の長があるという。トートの錬金術師と言えば業界では有名であるが、アーティファクト研究の関係で、やたらヘンな道具を作る人が多い。
 世界事象の解析の一環として、神秘の解析を行いそれを実践する結果、なんだかすげーやばい神話の遺物を再現したりしている。一番やばいのが、ギリシャで管理している『パンドラの箱』。

■パンドラ
 元々はギリシャ神話に登場する原初の女の名前だが、ここではトート院が管理している『パンドラの箱』の事を指す。
 トートが再現したアーティファクトの中でも最悪の一つとされ、その機能としての概念は『怪異を呼び込む』である。何故か、古今東西の怪異が、ここに辿り付く場合が多い。故に、散逸したアーティファクトを数多く有する。文字通り、奇跡というよりは異常であるところの魔術の中の、さらに異常なモノを中に封印するのに使われている。
 伝説から考えれば、蓄えているものこそは絶望であり、箱が怪異で満たされた時、世界は終わるとされている。しかしその容積たるや魔術で拡張されつづけており、世界の終わりまでは結構余裕があるのだった。枯渇すると言われる度に発掘される石油みたいなもの。
 因みに、魔女物語の世界の現代において、この機能のせいかどうか、マイア院の精鋭とギリシア正教会から派遣された騎士達が虐殺されると言う事件が起こるが、それはまた別のゲームで語られる。

■ザラスシュトラ枢機院
 最も古い、『はじまりの』院。中東の砂漠のどこかにあるという『沈黙の塔』で、天体を観測し続ける、占星術師たちの寄り合い。彼等は星を詠み、未来を予知するが故に、外界との関係を持ちたがらない。
 魔術師ですらその存在を詳しくは知らない。
 曰く、塔の占星術師は沈黙を美徳とする。
 曰く、最古のマギは諦めを知る。
 中東の魔術基盤と、ヘルメスとのパイプ役になっているが、その詳細は長老クラス以上の機密事項である。

■ルドルフ院
 16世紀ごろ、ローマ皇帝ルドルフ2世によって作られたため、敬意を表して彼の名が付いた、チェコはプラハの一大学院。16〜17世紀にかけては、世界最大の学院だったと言える。
 名だたる魔術師が勢揃いしていたこの時期、プラハは魔術の都だった。もちろん、それ以前からボヘミア王国下で魔術師による団体は存在しており、<王の頭>カープト・レーギスと呼ばれていたし、中欧で最初の大学だってあったのだが、ルドルフ2世の時代があまりにもきらびやかで、そんな時代は顧みられなくなった。
 西洋錬金術の一大拠点。物質の練成、即ち『変成』の魔術・錬金術に特化した彼らの研究室は、ホムンクルスやらゴーレムやらが陳列され、まさに魔界である。
 トート院が『概念の変成』、より『創造』に近い所にあるのに対し、ルドルフ院は『物質の変成』、より『操作』に近い。ルドルフ院の方が科学に近く、実用的であると言える。
 魔剣も多く作り、代々のゾーリンゲンの魔剣鍛ちと親交がある。

■施薬修道院
 15世紀に、メディチ家によって出資された魔術師の作った学院。
 イタリアはフィレンツェにある。
 教皇領に近いため、一応、教会の附属施設として修道院の名ではあるのだが、ほぼマネーパワーで独立している組織である。
 魔術の中でも薬物を使ったものに特化しており、『薬屋』の名で親しまれる。
 その名の通り、表の顔は薬屋なのである。豊富な資金力と手に付いた職は、メディチ家が没落した後でも彼らを助けた。
 魔術による人体の影響の研究においては、ユニオン最高と言われており、魔術の反動などによる後遺症の研究も盛んである。
 ただし、病院ではないので、魔術による肉体の変調などでここを訪れると、瞬く間にモルモットにされると言う、まこと恐ろしい場所でもある。生まれながらにして魔術を帯びる、つまり超能力を有する者達も多く放り込まれ、『パンドラ』と『薬屋』と言えば、生来の能力者が恐れる物の代名詞である。
 18世紀以降、時計職人を祖に持つ『人形師』と呼ばれる特異な魔術師達がよく席を置き、人の模造としてのヒトガタを作りつづけている。

■アストラル(星幽)

 ある、とされているもの。エーテルを霊と呼ぶのに対し、アストラルを魂と呼ぶ。
 肉体、霊、魂、で人間は構成されている。
 人によってはもっと細かく分類する。
 これらを繋ぐ物を、インドではチャクラ(車輪)と呼ぶ。
 魂を作るもの。情報子。記憶、経験の蓄積の総体。
 幽霊はエーテル体であり、神が顕現するときもエーテル体であるが、その魂自体はアストラルで作られるとされる。
 エーテルの固化よりもアストラルの固化の方が真理に近づく可能性は高い、と言う魔術師もいる。

■ヴァチカン/教皇庁
 言わずと知れた、カトリック教会の総本山。世界最小にして世界最大の国家。
 これを指して『使徒坐』『聖坐』『聖権』などと呼ぶ。
 活動内容に関しては周知の通り。世界しあわせになってしまえー教。
 魔女物語的に言えば、ユニオンとは犬猿の仲である組織。
 内部に、絶対攻性機関『修道会』、最終防衛機関『騎士団』を擁する。
 両機関とも、公式のものではない。

■修道会
 本来は、キリスト教精神を共同生活の中で生きる、誓願によって結ばれた信徒の組織。
 ここで言う修道会は、ヴァチカンの絶対攻性機関としての二つの組織の事を言う。
 『教会の持つ唯一』の攻性機関、ドミニコ裁定修道会と、フランシスコ臨時修道会である。

■ドミニコ『裁定』修道会
 ドミニコ会と略される。秘蹟典礼省に所属する。
 異端を狩るために、異端で構成された異端審問官を擁する、『聖坐の鬼仔』。
 かつては魔女狩りの急先鋒であり、現代では異端による異端狩りの牙。
 あらかじめ数世代先までの贖罪を確定させる事により、全ての戒律から解き放たれている。
 贖罪は十字架の数で表され、最も多いものは七つの十字架を背負っている。
 ユニオンの魔術師全てが、その名を聞いた瞬間に震え上がる。

■コローレ
 色付き。
 ドミニコ裁定修道会の中でも、特に群を抜いた能力を持つ者に与えられる称号。
 ドミニコ会を率いる、指揮官としての権限を与えられる。

 ターヤに率いられていたコローレ達は以下の通り。

・赤の剣『スパーダ・ロッソ』サルバ
 赤髪の、スペイン系の痩身の男性。世にも珍しい「天使憑き」で、常に頭痛に苛まされている。神経質な男で、たまに電波を受信している。慈悲の何たるかを求道している。刃状の羽を無数に発生させると言う奇跡を行う。尚そのサイズは可変。10cm〜2m。
 ヘルメス攻防戦事件後、処刑され、死亡。

・蒼の牙『ザンナ・アズッロ』フー
 東洋系の男性。へらへらした中肉中背の青年。異能の中でもビックリ系、なんと虎に変身する。
 攻撃も肉食獣たる虎のそれで、その牙・爪はそれだけで脅威である。黒い髪は黒すぎて蒼く見える。

・桃色の尻尾『コーダ・ローザ』ラウラ・ロッシーニ
 イタリア系の女性。桃色の座につくのは決まって、胞衣を被って生まれてくると言う、「ベナンダンティ」と呼ばれる異能者とされる。ベナンダンティは、フリーウリ地方の異能で、ウイキョウの杖で武装し、ヨシャパテの野で幽体離脱をして魔女の頭目、アルレッキーノと戦うとされている。
 本人は桃色の髪のポニーテール肝っ玉ねぇちゃん。その移動速度はドミニコ会最速。

・黒の鉄槌『マルテッロ・ネロ』ベナモ
 厳格なアフリカ系の黒人男性。長身マッチョ。肉弾戦のエキスパート。
 言霊による自己暗示で、世界法則に己の作り出した法則を叩き込む。
 その法則とは「我が肉は鉄よりも尚堅し」。ある種の奇蹟である。


■フランシスコ『臨時』修道会
 フランシスコ会と略される。
 ドミニコ会だけで戦力が足りない場合に借り出される、臨時の戦力。
 その構成員はほとんどが傭兵である。望んで小金のために命を投げ出す彼等こそは、ドミニコ会以上の狂気を纏うとされる。
 その身に信仰のあるなしは関係なく、腕の立つものが集っている。
 ドミニコ会が神への忠誠ゆえに協会幹部すら抹殺できるのに対し、フランシスコ会は信仰心の薄さ故に教会の意志に反する事が出来る。
 恐れられてはいるが、その実体はひどくお軽い連中の集まりである。

■騎士団
 十字軍の際に設立された騎士修道会が原型だが、エルサレムを失ってその存在意義が失われて以降、教会の盾としての立場を得た。
 修道会が個人の異能で動くのに対して、騎士団は集団の結束で動く。
 守りに入られたらフランシスコ会ですら突き崩せぬと言う、防衛戦のエキスパートである 
 一般信徒なので修道会より融通が利く。
 頼めば魔術師と言えど力を貸してくれるだろう。

■国教会
 英国国教会のこと。厳密にはプロテスタント『ではない』。
 宗教改革中、プロテスタントとカトリックの間の存在であった。
 教義的な理由ではなく、政治的な理由によって設立されたからか、魔術の取り締まりに関して非常に甘い。ユニオンの本拠地が英国の、しかも首都にあるのは、そのような理由にもよる。
 元々、英国と言うのはオカルトと共にある国なのである。

■神
 神には以下の種類がある。単純に神、と言った場合には誤解がかなり含まれる。
・世界そのもの
 ヘルメスの魔術師の目指す所は、つまるところここである。
・デミウルゴス(造物主)
 基督教、特に旧約において世界を創造したとされる神。裁きと正義を司る、ユダヤ教の『絶滅の神』。
・エロヒム(善の神)
 イエスを派遣した、とされる神。デミウルゴスとエロヒムの分類は、グノーシス主義によるもの。
 愛の神とされるが、グノーシス論争では、デミウルゴスを超える真の神だ、とか、デミウルゴスの後に地上に現れた異邦の神だ、とか言われている。この論争に決着は着いておらず、またこの二つが別物なのか、同一のものなのかは定かではない。
 人によっては、基督教の神すら汎神の一柱とする。
・アニミズムの神(汎神)
 地球をガイアと言う一つの生物とする魔術師は、汎神を、地球が生み出した生命の一つ、としている。マテリアルの段階を超越した生物。
 自然の側の生命であるから、基本的に自然を壊して種の能力を拡張する『人類』とは反りが合わない。故に、契約によって宥めすかしておだてる存在、とされる。上手く扱えば、自然の一部として、人に恩寵を与えるが、下手に扱えば災害として襲い掛かる。
 希に、自然物に魂降りし、身体を得て活動する事がある。また、人の中には彼らを受け入れるだけの身体を持つものがおり、これに魂降りをして神と接触する事も可能。
 英雄に狩られたりする事もあるので、万能の存在、と言うわけではないようだ。
 汎神は、その固有能力として、『異界創造』を行う事ができる。元々は、原初荒野であった地球を生命の存在できる星に作り変えるために用いられた『自然干渉能力』らしいが、汎神が人格神になる過程で、各々の縄張りを主張するようになり、それぞれの地域で異なる『異界』を持つに至ったらしい。ヴァルハラやアヴァロンなどがそれとされる。
 異界の中で最も強いものが、基督教の神の『メルカバ』であり、そこから無限に空間を広げた『天国』と言う異界は、世界中でその存在が観測できるほどである。
・人格神
 汎神の一種。汎神から現れて、人の願いを受けて人に近く変異した神々の事。仏やバラモンの神々、ギリシャの神々などはここに分類される。
 人格を得た神は、自然よりから人と自然の中間者となり、時として人に恋をし、或いは人と交わり半神を産み落とす事もある。また、死んだ人が汎神と混同されると、死者と神の属性が結合し、新たな神となる。伝説化した英雄はこれに近い存在になる。
 特に人に仇成す汎神や人格神を、ユニオンやヴァチカンが『魔王』として指定する事がある。

■限定域魔術(a limited magic) あるいは地域魔術(a regional magic)
 人は地域ごとに神話・伝説を保持している。
 地域ごとに神々の世界がある。
 国単位ではもちろん、村落単位で異界を保有することも珍しくない。
 特に汎神のいる地域でこれが顕著である。
 限定域魔術とは、このコミュニティー内で『そうであると信じられている事』を、現実に引き起こす魔術のこと。
 異界創造法に似ているが、個人でのものでなく、コミュニティーに縛られている点で自由度は低い。
 とはいえ、神々の世界の理屈を引っ張ってくるので、これは相当強力なものといえる。
 現代ではペイガニズムのクラフトがそれに近い。
 宗教として信仰しているわけではないが、地域の常識として通用しているので、地域内では強力な作用を及ぼす。
 また、そのコミューンに属する人間がうっかり魔術の素養なんかを持っていたりすると、他のコミューンでもその現象を引き起こしたりする、まこと厄介な魔術である。離れていても、共同体と意識を共有することにより、ラインを引っ張ってきている。これは、その人間の常識が覆されるまでほぼ永続する。

■代償
 神ならぬ人の身が奇跡を起こすのには、それなりの代償が必要となる。
 ボトムは魔術の触媒から、トップは術者の命、はたまたそれ以外のもっと大事なものまで。
 全ての魔術には代償があると考えてよい。強力な魔術ほど大きな代償を必要とする。
 今風に言えば等価交換。ゲーム的に言えばコスト。

■天使
 大異界『メルカバ』において活性化し、人に似た姿をとるとされるが、これは現象の一側面に過ぎない。これらは『メルカバ』と言う異界で、天使なる概念が活性化しているだけで、一種の精霊である。人の幻想が醸造した虚像に過ぎないが、多少の奇跡を行う力を持つ。

 本来、天使として『創造されたもの』は存在せず、天使と言う現象のみがある。
 ただ『人を導く』と言う現象。聖者や魔術師が起こす奇跡、その他人知を超えた精霊や汎神による異界原理の執行のようなものではない。『何者も意図していないのに何故か起こる、それでいて世界の何を変えるでもない、だがしかし奇跡と呼ばれる事象』の事を言う。そこには姿形も、意志さえも無く、ただ示唆があるだけである。
 人の心に去来し、人間の弱さの全てを否定する。その聖性に限度はなく、よってその要求に限度はなく、ある者には救いになるが、あるものには地獄の責め苦より辛いものである。 

■悪魔
 これを呼ぶ場合二種類に分かれ、一つは精霊や悪神、悪霊などを指して言う場合で、もう一つは現象とし言う場合である。
1・精霊・悪神・悪霊として
 精霊の中で特に人に有害なモノを指して言う。角の生えた姿で知られる、バフォメットなどはこちらに属する。対概念・対霊の効果がある事物で退ける事が可能で、いわゆる「悪魔との契約」ができるのはこの悪魔である。
 悪魔払いは有効。

2・現象の一つ。
 1はヴァチカンにおい悪魔と呼ばれるものではない。
 ヴァチカンにおいて厳密に呼称される場合、天使と同様、純粋な悪魔それ自体は人間に悪意を持っているわけでも何でもない、ただ有害なだけの『現象』である。
 悪魔憑きと呼ばれる現象で人々に認識される、形も意志も持たない『何か』。ただ人の心に突如降って沸き、その人間の最も弱く脆く醜い部分を肯定し、これを行わせる。人を傷つけたいと言う願望があれば、人を殺させるわけだ。
 悪魔憑きになった人間は、悪魔に概念を上書きされ、『ヒト以上のもの』として変質を始める。変質に体がついて来れずに命を落とす場合がほとんどだが、希に生き延びたモノは本物の悪魔憑き、つまり体に「悪魔」と言う「部分」が出来る。また、肉体的な変質をともなわないが、それそのものが人にとって毒である、黒い霧を纏ったと言うケースもある。この黒い霧は『魔素』と呼ばれている。
 悪魔払いはほとんどの場合無効。ただ、ヴァチカンにおいて『聖句結界』の修得者のみが対抗できると言う。

 1,2ともに、当たり前のように奇跡(怪異)を行う。簡単に言えば生きた魔術である。

■魔王
 キングオブギルティー。
 人に仇成す汎神、人格神、精霊の中でも最も強力な部類に入るものの総称。
 ユニオンやヴァチカンが魔王指定した精霊は、単体で都市を壊滅するだけの戦力を有するとか。
 また、魔王に匹敵する災害性と神秘性を併せ持った人間が、これに指定されることがある。
 ワンランク低い指定に、「魔人」があるが、こちらはヴァルプルギスの魔女1〜2人前くらいの手の付けられなさ。

■貴族(グレイス(公爵称)、ロード、サー)
 魔術学院の出資者。18世紀においてはディレッタントも出資をしていた。
 ぶっちゃけお偉いさんの道楽であるが、学院は時に君主階級にも取り入ったりしており、費用の潤いっぷりは、下手な大学より良いらしい。
 困ったちゃんな貴族は、公務そっちのけで自分で魔術を研究している。たまに悪魔の喚起のつもりで、現象としての悪魔を引っ掛け、領土を汚染・壊滅させちゃうオッサンとかいたらしい。

 いわゆる公侯伯子男の順に並ぶ貴族階級。貴族ではない準貴族に、準男爵・士爵がおり、上から順にデユーク、マーキス、アール、ヴァイカウント、バロン、バロネット、ナイト(英語)となっている。諸侯と言うのは、上から三つであり、貴族と言えば諸侯であり、子爵、男爵は割合数が少ない。士爵は仏・シュヴァリエ、独・リッター。
 爵位は人物ではなく土地に与えられる。
 因みに、漢字訳は、日本語ではなく、中国のもの。夏王朝に既に五等位階があった。

■魔法陣
 魔術を行使するために使用する図形。単一の図形には単一の意味、つまり単一の効果しかない。天使召還の魔法陣で悪魔は喚起できないし、その他の結果を行使する事も出来ない。
 世界と言う計算機に対して、術者が望む結果をはじき出させるためのプログラム。魔術的に言えば、世界に概念を叩き込むための図形。
 より抽象的な魔法陣は、創造系の魔術を使わないと実行できないので扱いが難しいが、具体的なものほど簡単になる。
 図形に魔力を通す事で効果が発揮される。

■呪文(スペル)
 魔術を行使するために使用する一連の言葉。大抵の場合、その魔術の発動キー、安全装置である。また、魔術は人間の精神的な部分にも左右される(知らない概念は扱えない、知っている概念に疑問をもつと効果が半減する)ため、強力な自己暗示に使われる。
 ごく希に、呪文のみで魔術を行使する者がいるが、彼らの呪文はまるで歌のようだと言う。それをしようとした魔術師がいたが、ついに再現は出来なかったとか。

■儀式
 魔術を行使するために行う、一連の手続き。創造系の魔術に良く使われる。世界に対して叩き込む概念を、「よりもっともらしく」するためのもの。より多くの要素を集める、とも言う。自己暗示としては、呪文より強力。
 祭りは、たとえ参加者がその自覚がなくとも、多くが魔術の儀式だったりする。
 最も簡易な儀式としては、足踏みや手拍子などがあり、これは数を数えると言う、最も古いであろう魔術のなごりである。
 音楽の演奏も一種の魔術と言える。

■魔術文字
 物に刻んで魔力を通せば、魔術になる文字。それだけで複雑な結果をはじき出すのには向いていない。最も小さな魔法陣とでも言うべき物。
 文字数か少ないほど、魔術として堅牢であり、破綻しにくい。
 当然と言えば当然なのだが、基本的には文字であるからして、石碑などに文章としてフツーに残っている。
・ルーン オーディンのつくったと言う文字。北欧系。
・オガム オグマのつくったと言う文字。ケルト系。
・ヒエログリフ トトのつくったと言う文字。エジプト系。
 などがあるが、全ての文字は魔術文字になり得るので、上記が特別というわけではない。

■異界創造
 精霊の持つ能力。範囲を限って、世界を書き換える力。
 創造魔術の最高峰でもあり、特に優秀な魔術師がこれを使う事がある。
 ただし、本来人の身にあまる力であり、使用した反動ははかり知れない。
 また、己の作った異界に取り込まれて、二度と帰ってこないものもいる。
 知覚できない世界を作り出すことは出来ないので、大抵の場合はその人間の頭の中が反映される。
 概念励起では結界を作る必要があるが、これは世界そのものを創り出すので、その必要が無い。『概念を現界させる』のではなく、『概念が現界しているのが当たり前』という世界を作り出せば、異界が保持されている限り、その異界内ではその法則は永遠にまかり通る。
 究極の結界。
 他に、これと似た作用をもたらす魔術が存在する。
 その名を『世界捏造』。異界原理を持ち出すまでも無く、世界に対して己の創造した概念を叩き込み、無理矢理在り得ざる物理作用を引き起こす。呪いは操作系の魔術だが、創造系の魔術の方法論で世界を呪うと言う、禁忌の一つである。
 最も、使える者など人間の中にはいないのだが。

■概念励起
 創造系魔術の基本にして至高。
 形の無い『概念』を、形にするという魔術。非常に高度なため、成功率は低い。
 炎は炎として独立した現象だが、『炎』と言う概念は別にある。これを励起させる事により、実際にそこに炎を現出せしめると言うもの。召還や喚起と言った儀礼で呼び出される天使や悪魔、精霊や汎神などは、形を得た概念である。
 この系譜に、概念の『大励起』と呼ばれるものがある。人が幻想の中で作り上げた、数々の精霊や神々といった概念を励起させる事は、不可能ではないが、時と場所が限られる。場所は、彼らが存在できる概念を内包した空間であり、例えば雷神と言うものを神話に持たない地域では、雷神は顕現出来ない。多くは結界内で励起させるため、これを防ぐ事が出来るが(このため創造系の魔術師には高度な結界を張る、と言うスキルが要求される)、出来たとしても世界からの修正を受けて、励起できる時間は長くて24時間。
 それを超えるのが、大励起である。魔術に縛られるただの概念励起とは異なり、一度現界してしまえばまるで本当に生きているかのように振る舞えると言う、死者の蘇生に最も近い所にある魔術。これを行使すれば、神々とて肉体を得る事が出来る。だがこれを行うのは生きた人間では不可能、とされている。

■結界
 仏教用語。Simabandha。界を結んだもの。界とは境い目であり、こちら側と向こう側の違いの接線。
 タブーやルールの表示であり、それ自体は障害と言うよりは、障害を除去するためのもの。
 よく誤解されているが、霊的な防御を指す言葉ではない。が、おばけは入っちゃいけませんよ、と言うルールで結界を作れば、霊的な防御にはならないこともない。
 ルールやタブーで世界を区切って何をするかと言えば、ある種の力が及ぶ領域を示すのである。
 分かりやすく言えば国境で、これはその国のルール(法)が及ぶ範囲を示す。国境(結界)から外に出れば、ルール(法)は適用されない。古くから山川海空は、そこを越えれば異界であるとされる強力な結界であり、国境はこれを基準にして決められる場合がほとんど。
 神社の鳥居や注連縄は、目に見える結界。寺などは、外部に対して何重にも結界を張っている。日本に入ってくる呪術・魔術は、結界をせっせと作る類のものが多い。風水などは結界張るのが専門である。
 魔術的には、魔術の効果範囲を設定する行為である。操作・変成・破壊は兎も角、創造・知覚、特に創造魔術は範囲を限定しなければ収集がつかなくなる。そのために、術者の編んだルールやタブーの適用される範囲を決める。創造・知覚魔術はその結界内でのみ効果を発動し、それを出てしまえば効果は無くなる。

 お守り、護符は、結界からラインを引っ張って、ルールを外部にまで(ある程度)適用する。

■聖句結界
 『不信の否定』と言う概念で編み上げられ、教会に所属する者が唯一使う事の許された神秘。彼らの神秘の全てはこの応用である。教会でもごく一部の上級者しか使えない。
 キリスト教の宗旨『以外』の一切を認めない、他者拒絶の結界であり、ただその一点において他の追随を許さない。魔の完全撃滅を体現するこの結界は、現象としての悪魔に対抗できる数少ない手段の一つである。
 また、この結界内では、聖句結界以外の神秘、他宗の魔術などは、効力が半減するか、全く使えなくなる。

■ジン
 中東の精霊の一種。マクラ(天使)は光から、人間が土と水から、ジンは煙を立てない火から造られたとされる。世界の果てのカーフ山脈に棲むと言う。
 堕天使<アル・シャイターン>(かの唯一なる悪魔)イブリース以下、それに順ずる悪鬼はその威力の順にマリード(魔霊)、イフリート(鬼神)、 シャイターン(悪魔)、ジン(妖霊)、 ジャーン(悪霊)と格付けする。また、4大の属性ごとに、 地『ダオ』、水『マリード』、火『イフリート』、 風『ジン』と呼ばれることもある。
 ジンが天国に近づきすぎると、流星が放たれ、撃たれて死ぬ。毎年、八月と十一月にペルセウス座と牡牛座に降りそそぐ流星群がそれだという。 ジンは重傷を負うと火を発し、死ぬと一塊の灰になると言う。
 ジンの祖先はハールートとマールートという堕天使で、人間の女に惑わされてバベルの塔に幽閉され、人間に魔術を教えたという。シバの女王ビルキースとイスカンダール(アレキサンドロス)はその後裔だと云う。
 ベドウィンの伝承に曰く、ジンは砂漠の中で「偽りの火」を焚いて旅人を誘い込む。 邪悪なジンに憑かれると、悪霊憑きとなり、善良なジンに憑かれると、芸術家や善良な魔術師、時には聖者にもなるとされた。
 シトロン、赤鳩、鉄を嫌い、コーランの文句や「ハディード(鉄)」と唱えられると逃げ出すと言われる。

■取り替え仔
 チェンジリング。ドイツ語ではヴェクセルバルク。
「妖精(悪魔)の取替え仔」と言う意味で、美しい赤ん坊が生まれると、小鬼のような妖精がかれらの醜い子供と取り替える民間伝承がある。残された方の『醜い仔』、またはさらわれてから帰ってきた子どもの事をこう言う。
 特殊な能力を持って生まれて来た子どもの事を指す場合もある。
 これらの子どもは(実際はどうあれ)異常な行動を示すと信じられており、大抵の場合は厚遇はされない。

■アーティファクト
 1:人工物のこと。
 2:魔法の工芸品のこと。
 まじないがかりの道具の事で、協力なものは神々の使う道具から、人の作るものでは魔術師の使う道具まで様々。一番分かりやすいところでは、アセイミー・ナイフや魔剣もこれに当たる。
 神域のそれは、概念が形を取ったものであり、人工のそれは形あるものに概念を付加したものであることが多い。
 トート院のパンドラの箱には、数多のアーティファクトが封印されている。

■異界
 世界の一部。物質世界ではないどこか。
 人間の外側にあるとも、内側にあるとも言える何か。
 その多くは精霊の作った彼らの領域であるが、人の幻想が生んだ異界も存在する。この二つが混合した異界もあり、混成異界の有名なものは、須弥山と言う神仏の住む山である。
 異界は独特の法則を以って運営されており、この中でしか通用しないローカル・ワールドルールがある。異界の中に生きる者は、他の界には中々適応できず、最悪異界から出ただけで消滅する。
 また、人間が生きたまま異界に迷い込む事も多い。
 人は死後、己が思い描いた死後の世界に最も近い異界へ、魂だけで旅立つという。

■アルトス院
 マンスター地方、ケリー山地の奥深くにあるとされる。イングランドとアイルランドの政情の不安定のために、山に篭ったと言う。マンスターは後にイングランドの植民地になってしまうので、この判断は正解だったと言える。
 蛇足だが、マンスター地方の女神は多くが『ANU』と言う女神と同一の存在だとされるが、アルトス院の長老って…と言う噂もある。

■ヴァルプルガの二つ名
 13しかないヴァルプルガの席に、いつの頃からか付いていたもの。
 誰が呼び始めたかは不明。一席空いたら誰かがそこに入り、二つ名を継ぐという不文律が出来上がっている。
 以下は16C時点でのリスト

・灼熱 リアン・B・ヴァルプルガ
・氷原 フィオナ・クール・ヴァルプルガ
・霹靂 ラートリ・カマラ・ヴァルプルガ
・深緑 アルティオ・シルヴィー・ヴァルプルガ
・激震 アウローラ・ナーディア・ヴァルプルガ
・憧憬 空席(引退済:コルネリア・M・ヴァルプルガ)
・落涙 空席(引退済、行方不明)
・絶叫 空席(引退済、存命)
・墓標 エイル・H・ヴァルプルガ
・盲目 ノール・ハディーヤ・ヴァルプルガ
・諦観 チャン・シェンハオ・ヴァルプルガ(嫦・昇晧)※嫦は嫦娥。中国の月の神。昇晧は「日が昇る」の意。
・絶望 アナ・ヘルツシュラーク・ヴァルプルガ
・虚無 ソラ・オーヴァ・ヴァルプルガ


■大聖句結界<オルビス>
 『我以外に神無し』と言う概念で編み上げられている、聖句結界のグレードアップ版。この中では聖句結界以外の魔術は完全に使えなくなる。(ただし一部の例外がある)また、唯一神の使徒以外の概念存在を否定するので、他の宗教の汎神などはこの中では存在できない。

■混血の異能
 精霊或いは汎神(以下まとめて精霊)と人間が混血すると、多くの場合異能の者が生まれる。動物の形を取った神と混血すると、外見の変わる者が出て、これは非常に分かりやすい。人狼がメジャーであろうか。
 混血、と言うのは、精霊が地上に肉体を具現させた状態で、妻・婿を向かえて文字通り混血することを言う。異類婚姻である。肉体が変化したり、感覚が鋭敏になったり、ひどいものでは空を飛んだり火を操ったりする。ただし寿命は人並み。
 人格神と人との混血もおり、ギリシャ神話に半神の英雄が多く登場している。
 魔女物語世界観の裏番組の日本では、蛇神とか鳥神とか狗神とかとの混血が活躍している。

■吸血鬼(吸精鬼)
 混血の異能の一種。「血を吸う」「生贄の血を求める」などの特性をもった精霊と混血した場合、これが生まれる。また、この精霊に血を吸われた際、魂の情報がリンクしてしまい、吸血鬼になる場合がある。
 一番初めの混血は『元祖』『神祖』『真祖』と呼ばれる。
 生ける死者。
 怪力で回復力高く、長く生きた者は魔術すら駆使する。
 血を飲むのではなく、『血』と言う概念を飲む。申命記にもある通り、血、赤は古来生命の象徴であり、『命』の概念を飲む事によって、命そのものを増やしている。吸血鬼の不死性は、単純に『命の量が多い』ことによる。
 既に死んでいる彼らは、概念と言うかりそめの命でなければ、かりそめの生を維持できない。血を失えば死ぬ。心臓に杭を云々というのは、彼らの力の源泉である血の大元を叩き潰す所から来ているとか。
 陽光を嫌い、流水を踏破できないとされる。
 吸血鬼に血を吸われただけでは吸血鬼にはならない。吸血の際、吸血鬼と魂の情報がリンクした場合のみ、新しい吸血鬼が生まれる。
 山奥で貴族の真似事やってる一団もいるようだが、これは大変数が少なく、目撃例は皆無に近い。貴族は知能が高く、人間社会に紛れ込む輩もいる。貴族は、領地に人間を多く『飼い』、一人あたまの搾取量を減らす事で、安定した食事をしている。たまにうっかり新しい吸血鬼が生まれて取り分が減ると、互いに殺し合ったりする。
 貴族以外の吸血鬼の領地は己の墓場のみであり、日照下では全く活動出来ず、脳が腐ってる関係で頭も良くない。
 ポーランドでウピエル、ギリシアでブルコラック、セルビアでヴァンパイアと呼ばれる。

 尚、吸血鬼とは別に、魔術師がマナを得るために血を飲む場合が、ある。

■ヒメ・ヒコ・ミコ
 姫、彦、御子。
 ボーイミーツガールアンドフルートオブラブ。
 <そのつながりはせかいをすくう>
 いつの日か人の手に笑顔を奪還し、暁へ導くための、それはいのちのねがい。

■神託同盟<オラクル>
 世界の崩壊を予期し、世界を越えるために暗躍する組織。
 家がボロくなったので引っ越そうとしてる人たち。
 概念大励起を半ばまで完成させ、神の再現計画を構想している。
 運命に干渉すると計画が台無しになるので、直接手を下す事はしない。と言うか、表に出てくると弱い。
 




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